謎解き制作どっとこむ>> 謎解き全体の流れの作り方

ここではチャートを作成して謎解きの全体の構成を考える方法をご紹介いたします。
脱出ゲームや探索ゲームなどの謎解きを作るときに使えると思います。
実際には何度も考え直しが発生するでしょうし、厳密にこの方法をなぞる必要もありません。
「こういう方法もあるんだな」ぐらいの気持ちでご覧ください。
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完成品
隠し場所と置き場所を考える

シナリオとツール

今回想定するシナリオ
部屋の見取り図 二部屋

内装は特にこだわらず無機質で特定の環境を想像させないシンプルな部屋とします。
部屋の数は二つで、出入口は扉のみ。
二つの部屋を繋ぐ扉と最後の扉は鍵で開けるとします。

ツールを準備する
使用するツールは『フローチャート』が描けるものを使用します。
PowerPointでも描けますし、Draw.ioというブラウザ上で描けるツールも存在します。
フローチャートは本来プログラムの流れを表すものですが、今回はプログラムを書くというわけではないのでそこまで本格的なツールは必要ありません。

今回描くときのルール

基本
アイテムやヒントの隠し場所
長方形を描き、その中に調べる場所を文字で書く

進行に関係のある調べられる場所は四角で描きます。



必要行動、キーアイテム、ヒント
平行四辺形の中に「鍵の文字」 平行四辺形の中に「パスワード1360」 平行四辺形の中に「部屋を暗くする」

アイテムやヒントをプレイヤーが入手することを平行四辺形で表します。
アイテム以外にも謎解きに関係する行動もこれで描きます。



障害物(鍵のかかった扉など)
菱形の中に「鍵のかかった扉」

先へ進む、何かを手に入れる、知るのに必要アイテムや必要行動がある場合は菱形です。
アイテムを組み合わせる場合もこれで描きます。



アイテムやヒントを入手する場合
アイテムを入手する場合
「調べる場所→アイテム」のように描きます

アイテムを入手する場合、「調べる場所→アイテム」のように調べる場所からアイテムが出ていくように描きます


ヒントを入手入手する場合
「調べる場所→ヒント」のように描きます

アイテムの時と同様に「調べる場所→ヒント」と描きます

鍵などを開ける場合
一つ前を見ることで必要なものが、一つ後を見ることで得られるものがわかる

何が必要なのかは、菱形に入っていく矢印を逆にたどることで分かるようにします。
この場合は、鍵が菱形に入っていっているのでこの鍵が必要なのだということを示しています。
また、開けたときにアイテムが手に入るとき(例の場合「ハンマー」)はすぐ下にそのアイテムを書きます。
テーブルの上に置かれた鍵のついた箱など、置き場所を描く必要があるときは、この菱形の中に描きます。

アイテムを組み合わせる場合
「組み合わせる」と書いた菱形へ向けて二つのアイテムを書いた長方形を入れる 「組み合わせる」の菱形に必要行動を書いた長方形を入れる

アイテムを組み合わせる場合も、同じように何が必要で何が得られるかを菱形を使って描きます。
その他、必要行動をがあるときも、菱形を使います。

一度使ったアイテムを後でまた使う場合
別途矢印を引く

一度使用したアイテムをまた後で使う場合、矢印を別途引きます。
アイテムを消滅させるタイミングを間違えないようにするためです。

実際に描く

1.スタートとクリアを描く
スタートとクリア

まず、スタートとクリアを描きます。
ゲームオーバーもあるならここで描きます。

2.謎解きの山場と解決法を記入する
山場の記入

最後の扉や次の部屋に行ける扉など、クリアすることで事態が大きく進展する謎解きをスタートとクリアの間に描きます。

3.中くらいの山場を記入する
中くらいの山場(菱形)の記入

今回のシナリオでは扉を開けるためには鍵一個が必要ですが、それまでに必要な謎解きが存在します。
設定する難易度にもよりますが、今回は最初の部屋に三個、二番目の部屋に二個謎解きを設けることにします。
また、最初の部屋の謎解きの一部はどちらから先に解いてもいいようにするので、その部分は横に並べて描きます。
どのような謎解きにするかはこの時点では決めず、謎解きチャートにはとりあえず「謎解き」とだけ書いておきます。

3.アイテムや行動で解くのかパスワードを答えさせるのか割り振る
どう解かせるかを菱形の中に記入

先ほどの「謎解き」の部分をちょっとだけ具体的に考えて書き換えていきます。
アイテムで解くものは「アイテム系」、明かりを消すなど行動で解く場合は「アクション系」、パスワードを答えさせるものは「パスワード系」と書き込みます。
実際に作る際はゲーム前半はアイテム系やアクション系を若干多めに、後半はパスワード系を若干多めに配置しつつ、
暗号系とそれ以外をうまく織り交ぜると気持ちの良いテンポで単調でないゲームになると思います。

4.アイテムやヒントを記入する
アイテムとヒントを記入

アイテム系には「アイテム」、アクション系には「行動」、パスワード系には「ヒント」が入っていくようにします。
ここもこの時点では具体的には書きません。
クリアの側から逆にたどっていくと書き間違いが少なくなります。
ここで自動的に必要なアイテムやヒントがわかります。

5.どんな謎解きにするか具体的に考える
具体的に考える

具体的にアイテムや暗号などを考えていきます。
ヒントの場合は紙などで持ち運べるか、それとも壁に書かれていて持ち出せないかも決めます。
実際に制作する際は、部屋の雰囲気や作品全体のテーマなども考慮するといいと思います。
本サイトでまとめてある情報もどうぞ。


6.アイテムやヒントの隠し場所と置き場所をを考える
隠し場所と置き場所を考える

アイテムやヒントの隠し場所、置き場所を考えます。
私はこの段階で部屋の内装を考えていきます(とはいっても大したものは作れませんが…)。
脱出ゲームなら、このときある程度視点も考えます(わざと画面端にアイテムの一部だけ見えるようにして配置する、など)。
本サイトの隠し場所をまとめたページもどうぞ。

7.見直し
これで基本形は完成したので、一度全体を見直してみます。
作成するゲームの部屋の雰囲気やボリューム、難易度などの問題もあるので、ここで3ぐらいまで戻ることもあります。
また、並行して謎を解けるところをいくつか用意し、あまり一本道にならないようにした方がよいと思われます。
8.探索の難易度を上げるポイント
アイテムやヒントをうまく隠す
→見つけづらいところに隠す

アイテムやヒントを分割する
→一部分ずつ分散して配置するようにする。

先入観を利用する
→「一度ずっと前に使ったのでもう使わないだろう」、「ここはただの通過点でここにはアイテムはないだろう」などのプレイヤーの先入観を利用する。
9.完成
これで謎解きチャートは完成です。 これをもとに各種ツールを使ってゲームを製作していきます。