謎解き制作どっとこむ> > ゲーム向け暗号の作り方

暗号の作り方と書きましたが、暗号だけでなくアイテムを使わない謎解き全般もここで扱います。
私なりの暗号の作り方を紹介します。
他のゲームの暗号のまとめは「謎解き系ゲームでの暗号のまとめ」をご覧ください。

1.答えのタイプを決める。答えの入力装置を決める

数字、アルファベット、マーク、色、形、順番などどのような答えになるのかを決めます。
また、その答えをダイアル錠、ボタンなどどのようなもので入力してもらうかも決めます。
この二つはどちらから考えてもいいです。

参考:
答えになりうる形や色
入力装置の種類



2.ヒントの与え方を考える
ここからが本題です。
ヒントの与え方を以下の6タイプに分けます。

1.相似系

ヒントが答えと同じ数、形、色、並び方などをしているタイプです。
例えば、ヒントが
コップによるヒント で、
上記のヒントを使うロック のようなスイッチがあったら
左下(青)、左上(黄)、右下(赤)、右上(黒)のように押すのが正解となる謎解きがこのタイプです。

2.工夫読み系

メモなどにヒントが書かれていますが、そのまま読んでも意味がない、工夫して読む必要があるなどのタイプの暗号です。

えはひ
たすゃ
こでく

などのように左下から時計回りに渦状に読んで「こたえはひゃくです」となる謎解きがこのタイプです。

3.法則推理系

数式、アルファベット、図形などが使ってあり、法則から推理させるタイプの暗号です。

4.状況推理系

「嘘つきと正直者」など、直接答えが書かれておらず、一部の条件やわかっていることから推理させるタイプの暗号です。

5.参照、置き換え系

元の文字や数字が別の文字や記号などに置き換わっているタイプの暗号です。
例:「こたえはひゃくです」→「えぬっどすもぜうけ」など

6.隠喩系

あいまいな書き方をしてある暗号です。その特性上、長文になる傾向があり、アドベンチャー系ゲームに向いていると思います。




相似系ヒントの作り方

簡単な謎解きのヒントを作るなら一番簡単です。
同じ色、形など連想する日用品を思い浮かべてヒントになるように並べるだけです。
例えば赤青黄色のボタンがあり,決められた順番に押す謎解きを作る場合、
左から赤青黄色の花を花瓶に挿しておく,などというヒントが考えられます。
逆にこのタイプ謎解きで難しいものを作ろうとすると、発想の転換が必要なヒントの与え方になるでしょうから、
普段からものをよく観察する習慣が必要なのだと思います。(私も作れません)
様々なゲームのこのタイプの謎解きのまとめは「答えになりうる特徴」をご覧ください。



工夫読み系ヒントの作り方

1.答えの文章(または記号などの並び)を作成する
例)「こたえは100です」


2.暗号文の行数と一行の文字数を決める
今回はダミーの文字を入れる予定なので、答えの文の文字数より多い六文字×四行とします 答えが短ければ、一行でもいいです


3.その大きさの表を作る
横6縦4の暗号文用の表
 暗号文用の表を作ります


4.答えの文章を適当に並べる
答えを表の中に記入したところ
 繋げて並べるのか、ばらばらにして並べるかの二通りがあると思います。
 今回は繋げて並べます。


5.3.で作った表と同じ大きさの表をもう一つ作り、それに文字のたどり方(読み方)を線で引いたり、番号で書く
表のマスを赤で塗りつぶし、最初に読むマスにアルファベットのSと書いたところ
 今度はヒントを作ります。上の図では、プレイヤーにこのヒントと暗号文が関係がないと錯覚させるために、マスの線を消しています。


6.暗号文用の表に戻り、空いているマスにダミーの文字を入れて完成
答えを記入した表の空いているマスにダミーの文字を記入したところ
 間違った読み方をしてもある程度文章がつながるようにダミーの文字を入れます



状況推理系の作り方

1.状況設定(項目設定)をする
今回はある4人の名前と足の速さと好きな色にしました
4人の足の速さを最終的に求めさせる謎解きとします.
項目や名前などはなんでもいいですが、項目を3つ用意してください。
また,速さについては一位から順に宇川,阿川,江川,井川の順とし,
好きな色について阿川が黄色,井川が青,宇川が緑,江川が赤とします.



2.表を作る
下のような表を作ります.



3.正解の状態を決める その1
名前と足の速さの交差する枠に〇を記入し,正解の状態を作ります.



4.正解の状態を決める その2
名前と色の交差する枠に〇を記入し,正解の状態を作ります.



5.正解の状態を決める その3
足の速さと色の交差する枠に〇を記入します.

さらに○以外の場所にすべて×を記入します.



6.ここまでの状況設定を下の表のようにまとめる

これがヒントになります.



7.ヒントを一部だけ残す

↑範囲1

↑範囲2
枠で囲った範囲でそれぞれ3個ずつヒントを残します(4人いるので3つあれば残りの一人も自動的にわかるため)。
また、このとき上の画像なら順位の部分が、下の画像なら名前の部分がが被らないようにヒントを残します。



8.確認してみる

「一位は緑」から「順位-色」エリア内で該当部分に〇をつけます。
このとき一位は一人ですし、緑が好きなのも一人なので〇をつけたマスの縦と横に×を記入します。
縦と横の×は「順位-色」エリア内のみつけ、二重線の範囲を超えてつけません。


↑ヒントに従ってすべて○×をつけたところ


↑次は「順位-色」と「名前-色」のエリアの〇が交差している「順位-名前」のマスに〇を付けていきます。
三位は赤が好きで、江川は赤が好きですから三位は江川だということです。
ここで〇をつけたら、他の時と同様に「順位-名前」のエリア内で縦と横のマスに×をつけます。


↑うまく埋まることが確認できました。


「7.ヒントを一部だけ残す」で挙げた消すルールをあえて守らない場合,追加でヒントが必要になります.

↑「7.ヒントを一部だけ残す」のルールを守らない場合のヒント
「井川」についてのヒントが被っている


↑どうしても〇×が決められないマスができてしまう。


↑追加で「宇川は赤が好きではない」というヒントを追加



参照、置き換え系暗号の作り方

1.答えの文章(または記号などの並び)を作成する
例)「こたえはひゃくです」


2.暗号化する方法を考える
今回は以下のように適当に文字を並べた暗号表を作り、それを使って暗号化します。
その他の暗号化規則の作り方は「謎解き系ゲームでの暗号のまとめ#参照、置き換え系」もご覧ください。


A K S T N H M Y R W G Z D B P a y t
a
i
u
e
o

3.暗号化する
今回は暗号化前の文字(ひらがな)を表の中のひらがなから探し、その位置のアルファベット二文字(母音と子音)からひらがな一文字に置き換えて暗号化します。

こたえはひゃくです→えぬっどすもぜうけ


4.ゲーム中でのヒントの与え方を考えておしまい
今回のケースなら単純に暗号を書いた紙と暗号表の紙をどこかに置く、という形になると思います。




隠喩系暗号

これは言語センスが必要でしょうから、私が説明するのは難しいです。
そこで代わりに隠喩系暗号を作るのに使えそうな小技をいくつか紹介します。



擬人化する

人でないものを人に例えます。上を頭、下を足と置き換えるなど。

言葉を省略する

「パスワード:花(『の数』を省略)」など。大抵一語のみにするといい感じになります。

回りくどく言う

上記と逆です。蛇を「地を這うもの」と言い換えるなど



おまけ:手軽に謎解きの難易度を上げるには
手軽に謎解きの難易度を上げるには以下のような方法があります。

ヒントを分割する

ヒントのメモを半分ずつしか入手できなくするなど

ヒントを隠す、答えの入力場所を隠す

見えない場所に置く。本サイトの隠し場所集が参考になるかもしれません。

答えの入力場所やヒントの置き場所に鍵などをかける

鍵や道具などが必要にする。本サイトの障害物集が参考になるかもしれません。

などがあると思います。
ただし、やりすぎるとめんどくさいだけになるので簡単な謎解きと難しい謎解きの二つを交互に配置するなどメリハリが大切です。
また、難しくしたあとも、答えが一つに決まるか確認することも必要です。